大塚家具が決算赤字となり役員報酬4割減というニュースを見た。
父親の当時会長と娘の現社長の経営権争いが大々的に報じられて以来約3年、
そろそろ結果が見えてきているようだ。
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経営権争いには様々な要因が絡んでいるが、マーケティング的に注目したいのは
従来通り高額の家具を高所得者に売るスタイルを取りたい父親の当時会長側と
品質の幅を広げ、一般消費者に幅広く売るスタイルにしたい娘の現社長側の違いである。
特に接客方法について、従来の「会員制」と新しい「一人でも入りやすい雰囲気」の違いは大きかった。
結果的に娘側が経営権を取り、「一人でも入りやすい雰囲気」での経営スタイルが取られることになり、
その後、アウトレットやリユースなども手掛けるようになった。
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結果的に現状業績が伸びていないことを考えると、現社長側のやり方も上手くいっていないと判断せざるを得ない。
かといって従来通りの方法を採用している、父親の元会長が立ち上げた「匠大塚」も、いろいろな情報から判断する限りあまり業績は上がっていないようだ。
あの時元会長側が経営権を取っていたとしても、結果的に変わらなかった可能性は高い。
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ライフスタイルの変化や競合他社の増加などで家具業界も非常に厳しい市場環境と思われる。
上場企業まで成長させた優秀な人材が揃う企業だけに、このまま終わるとも考えにくい。
ここからどういう風に巻き返していくか、非常に興味深い。
事務局長:河村
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